徒然なるままに詩を想う。。。 -3ページ目

『蜜』

小さく咲いた赤い花

風で揺らめく花びらに

脚を下ろしたアゲハ蝶

羽を休ませ蜜を吸う


渇いた喉を潤し休んだ

日照りの強い初夏の午後


暑さに泣いた赤い花

蜜枯れ果てた花びらに

脚を下ろしたアゲハ蝶

羽を休ませそっと言う


何かが欲しくて来るわけじゃない

ただこの一時過ごしたいだけ


乾いた花びら涙で濡れた

日照りの強い夏至の午後


暑さを超えた赤い花

笑顔が戻った花びらに

脚を下ろしたアゲハ蝶

羽を休ませ蜜を吸う

『月朧』

揺れる月は陽炎の様に

触れる指は幻想の様に


想い隠れしこの夜に

雲が包みしその姿


驕れる声も今は幻

ただ真実に趣くばかり

『驕れる者』

驕れる者よ
あなたに問いたい
溺れる僕を
何故に哀れむ

驕れる者よ
あなたに問いたい
溢れる愛を
何故に固辞する

時が集いし声の数々
それは距離も飛躍していき
鳥となりし想いの翼が
彼女に取り巻く力となりき

驕れる者よ
あなたに問いたい
溺れる愛に
先を見出し

踏み出す足に
意味があるなら
今一度の声
耳傾けり

『めっせーじ』

あなたのミミにあたしのこえは

いつになったらトドクのでしょう

まいにちココロおどらせては

こえかけられずナイテいます


あなたにたとえアイなくても

あたしのムネがあいするかぎりは

ことばはトドカないけれども

どうかスキでいさせてほしい


いまちいさなガメンのなかに

おもいをヒトツかきとめます

いつかあなたがミタときには

そっとヘンジをかいてほしい


めんとむかってイエないあたしの

あなたへのアイのめっせーじ

『時間軸』

ずれたまま進む二つの時計
刻む速度は同じなのに
想うのは遠く海の向こうの
未だ見もせぬ友の事

僕が眠りにつく頃
君は新しい朝を迎える

超えられない時の壁を
感じながら手探りで語り合う
飾り気の無い素の自分を
出せる事が信頼の証

辛い夜をいくつ
抜け出してきたんだろう
君のかざす明かりは
道を決め付けるわけじゃなく
僕の前を広く照らす

止められない時の流れ
進む時間軸に乗って
飾り気の無い素の自分を
ありのままに曝け出すよ

長い闇を進む
震えてた僕の手を
握る君はいつでも
前に立つわけでもなくて
僕の横で共に歩む

今夜も僕が眠りにつく頃
君は新しい朝を迎える

『アンバランス』

掴み所の無い現実で
繰り広げられる争いの日々
薄汚れた手で擦るレンズは
自分の限界さえも見えなくて

不安定な政治支柱に
繰り返される困惑の日々
裏切りも数重ねれば
免疫が嫌でも張り付いてくる

皆が不安に晒されるから
今宵も揺れに揺れ続ける

アンバランスな天秤の上で
転げまわる人生模様
突き落とそうとする男に
忍び寄る影は多い

消えていく声も多い

『刃』

握り潰した 指の間に

光る刃の その矛先で


傷つけるのは 人か己か

時が傷跡 増やし続ける


繰り返すのは 愚かな事で

振り返るのは 愚かな事で


不実の刃に 晒された身が

たとえ傷つき 震えようとも


小さな常識 心に植え付け

騒乱の世から 己を守れ

『かぐや姫』

いくら寝てもいくら覚めても
見える景色と太陽は同じ
こんな世界にため息ついた
あなたはまるで迎え待つ姫

声かける者に見向きもせずに
ただ生き甲斐を求めてみても
過ぎ去る景色を留めないから
心はいつも空車状態

空を幾度と見つめてみても
汚れた雲に眼が霞むだけ

現代に舞い降りた姫は
目的も無く町を歩く
近寄る男も器だけ
全てをかけて挑む者は居ない

触れ合う袖に一夜寄せれば
今宵の月が近く見えるの?

現代に舞い降りた姫は
上辺だけの優しさに触れ
濡れ合う真意は愛か涙か
故郷の温もり思い出して眠る

現代に舞い降りた姫に
月の迎えが来た夜に
出した答えは嘘か誠か
乗り手の居ない馬車は闇に消える

『風穴』

溜めすぎだよいつも
心の奥底に
人はそんなに強く無いんだ

耐えすぎだよいつも
声を押し殺して
人は自然が一番だから

僕の頼りなくも鋭い
針の様な言葉で
張り詰めた世界に風穴を

解き放たれた風に乗り
自由を得た視界で
自らの限界に風穴を

"らしさ"守る事に
精一杯になっていい
自分で居なけりゃ
意味が無いから

僕の頼りなくも鋭い
針の様な言葉で
張り詰めた世界に風穴を

解き放たれた風に乗り
自由を得た視界で
自らの限界に風穴を

まだ見ぬ明日へ風穴を

『偶像愛歌』

届きますか

聞こえますか

コワレカケタコエ声ガ


写りますか

見えてますか

カタチトドメヌコノ姿


思った以上に

容易いでしょう

思った以上に

儚いでしょう


あなたがその手を

差し伸べなければ

ココロハヤミニ堕チテクバカリ