『ヨーヨー』 | 徒然なるままに詩を想う。。。

『ヨーヨー』

すれ違いざまに過ぎ去っていく
色取り取りの和風金魚
望む夏は終えたはずなの

掻き集めては叶わずに割れる
目標の残骸を踏みしめたまま
涙目に映る夜は綺麗で

祭囃子が鼓膜を揺らして
沈みかけた心急浮上する

『頑張らなくて良いから』
意味も分からず撥ねた言葉
少しだけ今は分かる気がするの

水の流れ見つめる一匹の金魚
小さな喜び詰めたヨーヨー弾く
囃子太鼓の拍子に乗って


精一杯の息吹き込んで
呆気無く割れた破片集めて
今一度息を吹き込むの
決して大きく無いけれど

『争わないで良いから』
負けず嫌いに宛てた言葉
自分に向けたエールだと気づいた

水に混ざり泳ぐ一匹の金魚
小さな喜び詰めたヨーヨー弾く
囃子太鼓の拍子に乗って